大阪原告の想い~被害の実態と伝えたい想い~

大阪原告 児玉望美さんのお母さん・児玉三紀子さん

2022/03/27

学習会『HPVワクチン接種の積極的勧奨再開を目前にして』

大阪原告 児玉望美さんのお母さん・児玉三紀子さん

「娘の被害と私たちの想い」

 

こんにちは。大分の支える会の皆さん。HPVワクチン薬害訴訟のご支援いつもありがとうございます。大阪原告、児玉望美の母です。

 

本日の薬害エイズ和解の日の集会での、お話のお誘いを九州原告代表の梅本さんから頂き、薬害エイズについて振り返って見ました。

 

私は過去、看護師として、呼吸器の専門病院の集中治療室に勤務しておりました。そこで、HIV感染特有のカリニ肺炎の患者さんの治療に当たっておりました。報道等でも、最初の感染者が性感染者であったため、HIV感染について、感染が解明されていない段階において、現在のコロナ感染のような状況で、厳重な感染予防とともに、勤務している病院にHIV感染の患者さんがいることも、口にしてはいけない極秘の治療が行われていました。HIV感染について、差別や偏見の目が注がれていました。

 

実際は薬害、それも人的な薬害でした。それを考えると、訴訟を行うのに、勇気が本当に必要だったと思います。今思い起こすと、患者さんは隔離された状況で、家族とも面会できず、悲しい思いをされ、亡くなられた方も多くおられます。

今日の和解の日の集会で、この話ができて、なぜか、ほっとしている自分があります。

 

自分の娘が、子宮頸がんワクチンの副反応で被害者側になるとは思ってもいませんでした。私も看護学生の頃、子宮頸がんの患者さんを担当したことがあり、子宮頸がんワクチン接種が推奨された際に、子宮頸がんにはなってほしくないと脳裏にあり、よく調べもせず、娘にワクチンを接種させたこと悔やんでいます。

 

娘は中学3年で、サーバリックスを接種しました。接種直後は、接種部位が腫れ、腕も上がらず、衣服の着脱も大変で痛みがありました。2回目の接種後、3回目の接種前より、蕁麻疹様の皮膚症状、下痢、腹痛等の消化器症状、頭痛、生理痛、等の症状が強くなり、皮膚科、婦人科、神経内科、等の病院を受診するようになりました。

 

どこの病院に行っても、思春期特有のもの、ホルモンバランスが悪いのでは?学校でなんかない?等と言われました。

皮膚症状が悪化した際に、抗原抗体の検査を行って、膠原病であると診断されたのですが、その後も診断された症状や、検査値の違いがあり、新聞報道でワクチン接種の副反応被害を目にして、被害者連絡会に相談、被害者を治療されている病院を受診し、脳血流障害があり、免疫疾患様の症状が出ている事が解りました。

 

しかし、症状は治まることなく、痛みはショック状態になり、救急搬送され、鎮痛剤の持続点滴をし、昨日まで特に症状も無く、突然腹痛が強くなり、嘔吐が出て、緊急搬送された際には、もう少しで腸に穴があく状況で、2週間も絶飲食、持続点滴を行う、一時は左半身の神経症状もあり、いつも、死と隣合わせの状況でした。

 

対症療法の内服、免疫抑制剤、ステロイド剤、鎮痛剤等で、現在は普通の生活が送れていますが、被害が無かったら、夢も希望もあったと思います。

 

ただただ、今の状況で、生活する、希望の大学にはいけませんでした。家業が、建築土木を行っているのですが、他での就職は、体調や通院の為、不可能です。体調が悪ければ休むし、病院の通院もあるので、家業を一緒にやっているという状態です。

 

今ちょっと再開、再開とか、もうすでに定期化されるというような話があっているのですけれども、もうこの被害を何も解決せず、定期接種が始まるということは、本当に心苦しくって、国はごく少数の一部の被害者はもう置き去りっていうか、捨ててしまうのだというような考えがあるのではないだろうかと思っています。実際、公的機関で受けることができますよ、受けられなかった方は受けられますよ、ということでやっている。薬剤は、サーバリックスとガーダシルなのですけれども、定期は9価シルガードというような方向性がなく厚労省が打ち出している。でも実際これまで公費で受けられなかった方が、ガーダシルとサーバリックスなのっていうか不思議な気持ちも持っています。まるで在庫処分のようなことではないだろうかと本当に不信に思っています。

 

近日3月20日、池田としえ議員が姫路に見えて、子どものワクチン接種についての勉強会があったので、参加してきました。医療関係者の方が多くて、コロナワクチンの関係だったのですけれども、子どものワクチン接種を止めたいという小児科の先生であるとか、かなり参加されて、その時に子宮頸がんワクチンの被害者のビデオを少し上映されたのですが、それを見て本当にびっくりされて知らなかったという人がほとんどでした。

 

この被害について、十分に皆さんが知らなかったという人が多いことは、被害を皆さんに知っていただく必要がかなりあるということが、この勉強会に参加して思ったことでもあります。

 

子宮頸がんワクチン、公衆衛生上のがんを予防すると言われますが、その前にやっぱり検診。しかし、検診は女性、特に若い女子とって非常にハードルが高く、検診台に乗るというのが非常に大変なこと、難しいと思うのです。

 

簡単な検査方法が開発されることも大切です。ワクチンの費用を検査研究費用に充当され、簡単に検査できるというようなものが開発されてもいいと思うのです。しかし検査薬は、利益がないと聞いていますが、採算がないということで取り掛るところがないようです。国の予算を必要な部分につぎ込んでいただきたいと本当に思います。

 

医療機関の問題が非常に大きいと思うのです。最初は厚労省が言っている病院に行きました。しかし、指定医療機関の医師に、『あなたの被害よりか、ガンの患者さんが増えることの方が問題でしょう。』そのような状況の病院が治療の指定機関になっていることが問題です。

 

今実際にこの被害者を診療されている先生方には何も援助がないことも納得いきません、逆に先生たちは小さくなって被害者を診て、苦しい思いをされている方が多いと聞きます。国は考え直し、診療されている医師に被害者が受診できる体制や予算をもらいたいと思います。

 

勧奨が再開されるということで、事実に基づいたパンフレット、リーフレットも作っていただいているので、被害を多くの方に知っていただくことが一番大切だと思います。

HIV被害の皆さん方が、差別や偏見の中で立ち上がられたように、HPVワクチン被害者が立ち上がって、被害について伝えていくことによって、一人でも被害者を防ぐことができることが大切だと思っています。

今、コロナ禍でなかなか集会というのができてないですが、被害の当初に戻り、機会があれば、被害を訴えていきたいと思っています。これからもご支援よろしくお願いいたします。ありがとうございました

 


※HPVワクチン薬害訴訟を支える会・大分のご好意により通信等で発信されている内容を掲載させていただいております。