成人被害者の想い~被害の実態と伝えたい想い~

成人被害者の近藤さん(福岡市在住)

2021/10/03 学習会『HPVワクチン接種のほんとうのこと』

『成人被害者からの訴え』 近藤さん

 

福岡市在住の近藤です。私は、HPVワクチンの成人被害者です。HPVワクチン被害についてもまだまだ知られていない中、成人被害者がいることを初めて知ったという方がほとんどではないでしょうか。

 

私がこの場をお借りして、なぜ今回伝えようと思ったかというと、どうして被害にあってしまったのかと考えた時、HPVワクチンについて、また副反応について『知らなかった』ということが大きかったからです。HPVワクチン積極的勧奨が再開された今、『伝える』ということがとても大切だと思ったからです。

 

2010年、次男を出産した産院でHPVワクチンを勧められました。10年は子宮頸がんにならないワクチンであると説明され、副反応の説明はありませんでした。以前私は医療関係の仕事をしていて、ワクチンは命を守るものという認識が強かったです。自費でしたが、命にはかえられないと接種を決めました。産後すぐと、乳児健診ごとの半年後・その一年後の計3回、同産院でサーバリックスを接種しました。直後から激しい頭痛があり、半年後には吐き気が止まらず、その一年後には、突発性難聴になり病院を受診しました。全て産後の疲れだと思っていました。

 

最初の接種から3年がたとうとした時、ある日を境に症状が一気に日に日に帯状に出てきて、とても怖かったことを今でも鮮明に覚えています。

 

私が今までにでた症状ですが、激しい疲労感・全身の痛み・不正出血・卵巣周囲の腹水・消化不良便・10㎏体重減少・目の焦点が合いにくい・光が眩しい・舌の痺れ・手足の痺れ・細かい痙攣・文字を理解しにくい・皮下出血・動悸・呼吸困難・激しい頭痛・吐き気・失神しそうになる・音過敏・こわばり・迷走神経反射・脳の血管反射・眼痛・眼振 などです。

 

何十という病院を受診しましたが、データ上異常はありませんでした。自律神経症状が多いため、心の問題だとされることが多かったです。ワクチンのことを伝えると、嫌な顔をされるので、隠して受診するようにもなりました。何もないというには、あまりにも辛い症状だったので途方にくれていたところ、親から私とそっくりな症状を言っている人たちがいると聞き、HPVワクチンの副反応のことを知り、被害者の会へ連絡し、自分の症状がHPVワクチンの副反応であると知りました。

 

原因究明をしてくれないので、何の結果が出たからそうだというのも分からないまま、あやふやにされていますが、『打つ前は健康であったこと』『打ってから大きく体調を崩したこと』に対して、HPVワクチンは関係ないと言い切る国や医者に、疑問を持たずにはいられません。

今も症状がない日は1日もなく、横になって過ごすことが多いです。ベースの症状に突発的な症状が重なって出るという感じです。日によっても、1日のうちでも体調が変化するので、予定もなかなかたてられず、周りからの理解も得にくいです。

 

私たち世代は、自分以外にとても手がかかる時期です。例えば子育てや介護など。自分の身体のことで手いっぱいな上に子育てや介護をするというのは、本当に大変です。

私には中2と小5(2021年当時)の息子がいるのですが、私の体調が崩れだした時は、小1と年少でした。家事もままならず、学校行事にもろくに行けず、習い事も諦めさせたり。家族には、沢山心配をかけ、苦労をさせてきました。あったはずの子どもとの大切な時間も、沢山諦めてきました。

 

現在カウンセラーの仕事をしていますが、体調が安定しないので、予定をたてるのがとても困難です。思うように働けず、安定した収入を得ることができません。40代といえば働き盛りで、子どもたちにも一番お金がかかってくる時期です。『我慢する・諦める・削る』という生活の質を下げる選択をしないといけないことも少なくありません。根本的な治療法がなく、自費で対症療法をやってきましたが、高額であるため、もう自分の治療にかけられるお金はほぼありません。

 

HPVワクチンの問題点として私が感じるのは、

① 遺伝子組み換えワクチンであること。長期的にどういう反応がでるか未知です。

 

② 病気の人が治療のために行うものではなく、健康な人の身体に入れるものであるということ。そのためには、安全で100%防げるものでなくてはならないと思います。

 

③ 治療法が確立されておらず、提携病院も国から指定されているだけで、私も受診しましたが、病院や医者もよくわかっておらず、サポート体制が整っているとはとても言える状態ではありませんでした。

 

④ 選択するための情報に偏りがあること。不安をあおり接種へ導いたり、打たないから亡くなる人が増えるなど。打ってもなっている人もいるし、亡くなっている人もいて、実際癌を防げたという証拠もないのに、偏った操作された情報がメディアから流れてくることに、心を痛めています。だからこそ、被害者からの声は大切だと思うし、届けたいと思うのです。

 

今後の課題としては、

① 接種者全員への調査・原因究明・治療法の確立・・・これは当初からの願いですが、何も進んでない状態です。

 

② 保障・支援・・・私は自費接種者なので、保障は何もありません。

 

③ 寄り添い・サポート・・・いつまで続くか分からない、ゴールが見えない症状を抱えていることは、とても心が疲弊します。

 

④ 自立・社会との関わり・収入を得る

 

⑤ 伝わること・・・伝えてもなかなか伝わらないというのが、ワクチン問題の難しさだと私は感じています。HPVワクチンについて、HPVワクチン副反応について、皆が知っているということがとても大切です。私もそうだったから打ったように、ワクチンのことを自分事として考えることは、とても難しいです。でも被害にあってからでは遅すぎて、あまりにも代償が大きいから。被害をもうこれ以上ださないためにも、伝わるまで伝え続けることが大切だと思います。

 

本日は、貴重な時間を頂き、ありがとうございました。

 

(注)迷走神経反射:長時間の起立や緊張、ストレスをきっかけとして発症し、一時的な低血圧となって脳への血流が減少することでめまいや失神に至る病気。

 


※HPVワクチン薬害訴訟を支える会・大分のご好意により通信等で発信されている内容を掲載させていただいております。